【概要】
- 手負いの王国ブラジルVS万全な皇帝ドイツ!
- 組み合わせとしては最高だけどドイツ優勢との声が多い中、試合は始まった。
- だがその結果は、各自に後世に語り継がれ、サッカーの歴史と記憶に残るものなった…
キャプテンのチアゴ・シウバと時代の寵児ネイマールが欠場するブラジル。
風邪も治ってベストメンバーを揃えたドイツ。
悔し涙も枯れるほどの差を魅せつけられたブラジル…
展開は予想したけど、まさかここまで点差が開くとは思わなかった。
【詳細】
大会を通してブラジルは最後のフィニッシュを10番に任せていた。
ブラジルは攻撃のタレントが豊富なわけではなく、突出していたに過ぎない。
だからこそネイマールは絶対的な信頼を受けてピッチに君臨していた。
データで見ても、ドイツはブラジルを圧倒している。
ブラジルのコンビが中盤toディフェンスが多い。
つまり、前線で受けられる人間がいなかったってことかもしれない。
前半
ブラジルの攻撃はことごとくエリア内で失敗に終わっている。
それに対してドイツは、下手に放り込まずにアタッキングサードでじっくり崩しに行ってる。
準々決勝と同じく、ドイツはサイドから機会を伺い得点に結びつけている模様。
ブラジルはロングパスの成功率が酷い。
制度の問題か、受け手の問題かは分からんが単調な調子が続いている。
どっちかいうとブラジルは高い位置かで仕留めてゴールへ!
っていう形が見える。
ドイツは相変わらず安定した守備網を敷いている。
取ったらバックで細かく繋いで大きくサイドへ展開って感じか。
ブラジルは守備に意図を含んでないようにも見える。
意図を持った守備ができてるチームが今大会は強いって印象を受けるなあ。
後半
王国が意地を魅せた。
サイドに振って中へ!っていう攻撃の意図が見える。
でも肝心のエリア内に進入する所でミスが目立つ。
ネイマール抜きでこれだけ押し込めたのはスゲェ。
まあドイツが次に備えて手を抜いたってもあるんだろうけど。
ドイツは攻撃の数は少ないけど、サイドに振って中で仕留めるって形が際立ってる。
前線にスペーススナッチャーがいるのがデカイ。
これは見事としか言い様がない。
前半と比べて両者ともに前線でのプレスが激しくなってる。
ブラジルが前掛かりになってるのでドイツは守備に追われるかと思えばそうでもなかった。
王国は細かいミスが続いたために自分から決定機の機会を逃してるようだ。
後半立ち上がりと終盤の披露がピークになった時に1点取れればブラジルは変わったかもしれない。
守備のプレスが前から行けなくなってるのが惜しい。
ブラジルは取られた選手がその後すぐに取り返しに行けなかったのが痛かった。
【感想】
歴史的敗戦をセレソンはどう語ったか。茫然、無言、饒舌……それぞれの傷。
ドイツに声援を送ったブラジル人たち。歴史的大敗で傷ついた王国の“誇り”。
試合から消えている時間が長くて、過去のブラジル代表の化け物級のフォワードと比べるとツーランクもスリーランクも落ちる。
しかしながら、今大会の登録メンバーの中でCFはFWフレッジとFWジョーの2人だけである。そして、落選した選手の中にワールドクラスのCFがいたか?というと疑問である。FWフレッジのパフォーマンスは良くなかったが、代わりに誰を持ってきたとしても状況は変わらなかったと思う。
ブラジルといえば必ず歴代でバケモノが存在する。例えばロマーリオ、ロナウドとか。
ヤツらはボールを持てば決定的な瞬間を創り出せる選手たちだった。
その点、今大会はFWとしては先の細いネイマールが期待を一身に背負う形となった。
そもそも今大会のブラジルはセンターフォワードにボールを集める戦術ではなかった。
どっちかいうと、その下に仕事をさせるようなスペースを創り出す動きが求められていた。
確かに「戦術はロナウド」のような化け物ならばマークが付き、動けば陣形が崩れる。
けど、フレッジにはそこまでの恐怖や戦慄が轟いてなかった。
フレッジの言葉が蘇る。
「この敗戦は、僕らの生涯にずっとついてまわるだろう」
もしブラジルが3位になったとしても、その勝利は祝福されることはない。大会の行方がどうなろうが、自国開催の2014年ワールドカップは、失敗として語り継がれることになる。そしてこの試合でプレーした選手たちは戦犯として、誰もがこの傷と共に一生を過ごすことになる。
3位決定戦で王国が王政復古となるのか、それとも崩壊していく様をさらけ出すのか…
前代未聞つーか、過去例がないほどにヤバイ状況なのは確か。
日本代表のようにお気楽ムードや人気商売でやってないだけに、決定戦は楽しみだなあ。
試合前からドイツ優勢の声は小さくなかった。ネイマールを失っただけでなく、主将にして守備の要、チームの最重要人物であるチアゴ・シウバを出場停止で欠いたブラジル。そもそも今回のブラジル代表は、ネイマール1人に攻撃のほとんどを依存するというチーム状態。勝ち続ける事でプライドがかろうじて保たれていた。
満身創痍ってやつですね。
ここで弱いチームやプライドの無いチームなら「万全じゃないから」で済みそう。
でもブラジルは王国を自負する国、自覚してるからこそ勝利が絶対的になってる。
ぶっちゃけブラジルの試合内容はあんま良くない。
守備は元々崩壊していたし、攻撃はバルサの彼頼みだった。
コンフェデで魅せた見事な試合展開がまた見たいなあ。
ドイツはこれで決勝進出。『キッカー』誌での事前アンケートでは、直前の代表の成績が芳しくなかったこともあり、8強止まりと予想した読者が多かった。
しかし本来、ドイツというのはタイトルを期待されているチームなのだとドイツ人記者は言う。“望まれて”いるのではなくて、“期待”されている、つまり“hope”ではなく“expect”なのだと。W杯での6戦を経て、パワーアップしてきたドイツが24年ぶりにその期待に応えることができるか。
独サポーター「行けるかな?」 ←これが望む。
独サポーター「行けるよね?」 ←これが期待。
日本のサポーターはどっちだろう。
ドイツの安定感は異常ってことは分かった。
決勝がどーなるのか!?
アルゼンチンかオランダか!?
希望はアルゼンチンでお願いします。
そして優勝もアルゼンチンでお願いします。
ぜひ90年のイタリア大会を乗り越えてくださいお願いします。