【概要】
- 今の社会は愚直でひたむきな人間を嘲笑って、『愚直=バカ』みたいな風潮がある。
- でも愚直の選択の内面には色々な主義や主張があって、そこには美徳が隠れていると思う。
- 美徳というのは状況によって変わる価値観なのかなって感じた。
【参考】
【内容】
背負うものがあると人は強くなるらしい
白「人は大切な何かを守りたいと思った時、本当に強くなれるものですよ」
↑NARUTOの序盤で語られたこのセリフがナルト本人のテーマになるとは驚いたぜ…!
どうやら人は背負うものがあると強くなれるらしい。
火事場の馬鹿力的なのってまさにそれなのかもしれない。
けど、背負うものの大きさってのがあるじゃん。
単数なのか複数なのか。
何にせよ、譲れない主張になるのは間違いないのかもね。
じゃあその主張が対立したら、どうなるんだろう。
現実的に考えた方が正しいのか、それとも人情に厚い方が正しいのか。
結果だけ見て、色々と意見を言うのは誰でもできる。
でも、その時何を選択するかの判断って実はメッチャ大変なのかもね。
そういうの考えると、『時間の流れは選択の連続』なのかなって思う。
「愚直は美徳ではない!」はシンプルながら胸に響くセリフだと思う
植田「愚直は美徳ではない!」
↑吉岡伝七郎は宮本武蔵と決闘の約束をしていた。
弟じゃ無理だと思った兄貴の清十郎は武蔵を闇討ちするも返り討ち。
十剣のリーダー植田は当主を失うことを危惧して代役に佐々木小次郎を立てる。
けど伝七郎は「約束は守る!」とこれに猛反対する。
そこで植田は「十回やって十回勝てる敵としか戦うな!」と諭す。
でも頑なに決闘にこだわる伝七郎に対して放ったのがその言葉。
植田は伝七郎が義理人情に厚いことを誰よりも知っている。
そしてそれが吉岡一門を束ねる源泉であることも分かってる。
それを理解した上で、「伝七郎と吉岡一門を守りたい!」ってのが伝わってくる。
伝七郎「ならば…今日限りでお前は破門だ!」
↑自分にとって兄のような存在から、自分を否定された伝七郎は植田に破門を言い渡す。
守りたいものが交わらない時の葛藤って辛いよね
やり取りだけ見ると、伝七郎は大局的な視点を持たない『力を持った子ども』に見える。
そういうの嫌いな人は「伝七郎クズすぎwwww」って思うかもしれない。
けど、実際に自分が同じ立場に立ったらどう思うかな。
植田「吉岡一門を継承し続けることが大切だから、当主は面子を保たねばならない!」
「目先の決闘で当主が死ねば、吉岡はもう潰れる!それは絶対ダメだ」
「伝七郎じゃ武蔵に勝てない…なら代役と決闘させて同士討ちさせればおk!」
↑植田の思考はこれ。
『吉岡一門を守りたい』ってのが植田の考えだと思う。
絶対勝てるなら良いけど、無理と分かってるから止めるべきって感じ。
「勝てると思い込んだら気楽になれるけど、それは現実的じゃない」
植田は先を見据えた上で代役を用意したんだと思う。
伝七郎「おれは吉岡拳法の息子としてプライドがある!何より父の名を守りたい!」
「決闘から逃げれば武蔵に笑われ、吉岡の名も地に落ちる!」
「負けたら当主は植田が継いで、自分は吉岡の誇りを示して死にたい!」
↑伝七郎はこれ。
『吉岡(拳法)を守りたい』ってのが伝七郎の考え。
負けると分かっていても、戦わなければ守れないって感じ。
「たとえ勝てなくても、自分を信じてやれるだけやる!」
伝七郎は恥を意識していたのかもしれないね。
植田は吉岡一門を守りたい。
伝七郎は吉岡を守りたい。
冷静に見れば、植田のが現実的で正しいものの見方をしてると思う。
でも、伝七郎の心中はスゲー察する。
伝七郎は兄貴が死んで、自分が吉岡拳法最後の息子って自覚してる。
吉岡の名を継ぐ者として、逃げたら申し訳が立たない。
植田「愚直は美徳ではない!」
↑こういうのをすべて理解した上で言ったと思うと泣ける。
その植田の意図を知って、次期当主に『植田』を任命した伝七郎を思うと泣ける。
そして吉岡一門の末路を見てまた涙が…
つまり、愚直が美徳じゃないわけでなく、愚直は美徳じゃないってこと。
美徳というのは状況によって左右されるものなのかもしれないね。