【概要】
- 移籍の話があると心ときめくじゃん?
- けどあの裏側では闇の蠢動とも言うべき探りあいが繰り広げられてるから怖いよね。
- なんかミッキーマウスが人間だっていうくらいの衝撃なんだけど。
【詳細】
リーガを飛び交った659億円の移籍金。
バルサ、レアルの世界戦略と“面子”。
大量生産から自分だけの”作品”へ デジタルファブリケーションがもたらした、ストーリー性のある「ものづくり」
リーガ3強、三者三様のコンセプト。
大移籍が吉と出るのはどこなのか。
ハメスが苦しむ、マドリーの「掟」。
ロナウド&ベイルの脇役になれるか。
【感想】
今年リーガのクラブが補強に費やした総額は、史上最高を記録した'07年夏に次ぐ4億7900万ユーロ(約659億円)。クラブ別に見ると、最も豪勢だったのは昨年の倍以上にあたる1億5700万ユーロ(約216億円)を使ったバルサで、次は1億2000万ユーロ(約165億円)のレアル・マドリー。3番目は昨季の優勝で気が大きくなったのか、去年の3600万ユーロの3倍以上の1億1100万ユーロ(約153億円)をかけて11人を獲得したアトレティコだった
補強や移籍の季節になるとサッカー界全体がそわそわするよね。
誰がどこ行くとか行ったとか、ファンにとってはシーズンの見通しを考える上でスゲー気になる話。
加入する選手によっては冴えないクラブチームが一夜にして世界的に有名なクラブの仲間入りすることも可能…!
そう、だからこそ移籍市場とは夢の宝が埋まる海底みたいなもんなんです。
最後に、マドリーの今年の強化コンセプトはずばり「W杯のスター獲得」だろう。大会が終わった途端、バイエルンのクロース入団を発表し、続いてモナコのハメス・ロドリゲスを買い取った。マーケティング/マーチャンダイジングの面では成功間違いなし、中盤の戦力増強という点でもこれ以上ない補強だ。あとは誰をどこで、誰と組ませてどうやって使うかをアンチェロッティが悩むだけである。
ただし一方で、マドリーは問題を抱えつつもある。カシージャス、ディエゴ・ロペスというレギュラークラスのGKが2人いるにも拘わらず、W杯で大活躍したコスタリカ代表GKケイロル・ナバスを押さえてしまったからだ。
けど、けどだよ…!
クラブ「ウチ来いよ!(アイツとアイツとアイツが入れば…! おおそうだ アイツも入れれば…グフフ……)」
選手「富や名声より充実だぜ! …と思ったけど……ああそれにしても金が欲しい………」
クラブ「金か?地位か?それとも女か? ご希望ならいくらでもくれてやるから来いよ」
クラブ「(ふふ、アイツがくればユニフォームの売上とヤツの国のコネクションが深まるな…)」
選手「あのクラブさん、ボクは選手生活の充実を第一に考えています。そこんとこどうなんですか?」
クラブ「んん~ 安定を約束された選手なんていない。調子が万全な者を優先するのが我がクラブの信条だよ!」
↑まあなんというか、色々とクラブと選手の思惑が錯綜するのは当然のことでして…
でも『選手=商品』の構図があるために選手の悩みや葛藤がクラブに振り回されることが往々にしてあります。
現在のレアル・マドリーの選手に課される、唯一にして最大の掟がある。
それが「脇役としていかに輝けるか」だ。
マドリーはクリスティアーノ・ロナウドとギャレス・ベイルのチームである。それ以上でも、以下でもない。
ロナウドとベイルを活かす試合ができるかどうか。できれば成功、できなければ失敗。シンプル極まりない。
スピード、当たりの強さ、シュート力という強烈な個人能力を持ったこの2人を、他の選手は活かすことが求められる。どんな選手でもだ。
例えばレアルマドリードの場合、どんな選手でも二人を活かせるかどうかが前提条件になっている。
つまりハメス・ロドリゲスは自分の存在意義をアピールすると共に彼らをお膳立てしなければならない。
爆発的なスピードも2、3人をかわすテクニカルなドリブルも、遠目からのシュートも持たないカリム・ベンゼマが、なぜこのクラブで不動の地位を築き、6シーズンも生き残っているのか。理由はただひとつ、ベンゼマが他を優先する、気のきいたプレーができる選手だからだ。
これを見て思うじゃん? じゃあ自分が主役の二人に取って代わる輝きを放てば良いじゃん!ってさ。
けど、話はそう簡単に進まないわけよ。
ベンゼマだって我が無いわけじゃあない。
ただ、理解して従っているだけなんだと思う。
ひとつは面子と話題作りだ。バルサがスアレスに8100万ユーロ(約111億円)出しているのに、今年のマドリーはクロースに“たったの”3000万ユーロ(約41億円)では男が立たない。それに、ニュースになればなるほど注目され、ショップが賑わう。現に入団発表から数日で1枚100ユーロ(約1万3700円)の名前入りユニフォームが40万枚以上売れたそうだ。売り上げのうち7割はアディダスが持っていくが、3割はクラブに残るといわれている。
もうひとつは、コロンビアのファン市場を開拓するためだろう。ファンが増えればグッズが売れるし、新たなスポンサー獲得の芽も出てくる。またコロンビアとマドリーの結びつきが強くなるのは、ペレス自身にとっても都合が良い。というのも、本業で会長を務める建設会社ACSが、6月初め、総工費6億9200万ユーロ(約952億円)超の高速道路建設プロジェクトをコロンビアで落札・受注しているからだ。
ちなみにACSの子会社はこの夏マドリーがツアーを行なった米国でも高速道路建設を受注しており、中国ツアーを行なった'03年には京唐でのコンテナターミナル管理のための合弁会社を彼の地で作っている。
マーケティングに依って立つペレスのやり方は、ファンを喜ばせるのは間違いないけれど、出番を失う一部の選手やチームプランの再考を余儀なくされる監督にとっては厳しいものだ。が、銀河系選抜の頃からマドリーはこんなクラブ。誰であろうとトップには逆らえない。
ま、つまりはこういうわけ↑ですよ。
クラブの事情でクラブの方針や舵取りが決定されている以上、『クラブがスターと決めた選手がスター』になるってわけだ。
「そんな大人修正してやる!」って感じだけどそうそう甘くないんだなこれが。
サッカー選手である以上クラブは雇い主だから逆らえない、つーかビジネスだから我慢しなきゃならない。
新しい技術、情報化社会とデジタル、データからものを作るっていう技術の接点を理解した上で、彼らが欲しいと思ったもの、つまり、新しく出てきた彼らの欲求から生まれてくるものっていうのは、すごく新しい、次の技術と一緒に進めていく価値になり得るんじゃないのかなと思っています。
最近企業はストーリーマーケティングっていうのをやたらに薦めてます。
これは簡単に言うと、消費者が共感したり感情移入出来る物語を語り、その夢に同調させて虜にすることです。
クラブも同じく、いかに『根強く愛されるか』ってのに焦点を当てて考える時が来たのではないか。
地元の地域に愛されることでその地域の運動能力の高い子が夢を持ち、素晴らしい選手になるかもしれない。
プロになれなくても愛されているクラブならファンによる暖かい眼差しがあるかもしれない。
まあ表面をなぞってるだけだからあまり言えないけど、例えばレアルマドリードみたいなクラブは本当に愛されてるか疑問に思う。
勝負である以上、選手の切り捨ては仕方ないけどもあまりにも大人の都合が強すぎると共感や同調しにくい気がする。
例えば何の変哲もない試合で勝った時にファンが「よっしゃぁ~!」ってなるか「あ、そう」ってなるかの違い。
地域密着型ビジネスが流行らしいから、Jリーグもアニメコラボ以外にもたくさんの企画をやって欲しい。
クラブ「愛されるより愛したい」
↑もしもJリーグのクラブがこうなったらどんな世界が広がるのか見てみたいな。