【概要】
ハマーン「シャア、休日だからといって眠りすぎだ」シャア「むぅ…」
【詳細】
シャア「…わかった、今起きる」
ハマーン「朝食…いや、もう昼食だな。用意が出来ているぞ」
シャア「ああ」
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シャア「おはよう」
ハニャーン「おはよーパパ。もうお昼だよ?」
シャア「たまの休日だ、ゆっくりしても問題あるまい」
ハニャーン「…でもないんだよねー」
シャア「む?」
ハマーン「シャア、食事が終わったら私は掃除を再開する。
お前は散らかした格納庫を片付けるように」
シャア「チイィ…!?そんな決定権がお前にあるのか!?」
みたいなほのぼのはどうか
ハマーン「ほう…?『久しぶりに古い機体に乗りたい』などと言って06Sを持ち込んだのは誰か!?」
シャア「くっ…!?ええい、ままよ!?」
ハニャーン「わたしも手伝うよー」
ハマーン「フフ、ハニャーンはよい子だな」ナデナデ
シャア「2対1では勝ち目がないではないか…」
《格納庫》
シャア「…(これでは道化だよ)」ガチャガチャ
ハニャーン「ねえパパ」
シャア「どうした?」
ハニャーン「わたしもそろそろ自分のMSほしいなー」
シャア「…お前にはまだ早かろう。ママのガザCで我慢しなさい」
ハニャーン「もー!ガザCなんてグリプスの時のやつじゃん!もう古いし遅くて乗ってられないよ!」
シャア「ではキュベレイを借りればいいではないか」
ハニャーン「だぁってファンネルの反応重たいんだもん!」
シャア「…では、私の百式を」
ハニャーン「ガンダムタイプなら新型がいーい!」
シャア「ふむ…しかしアムロか。しばらく連絡を取っていなかったな」
ハニャーン「ね、またウチに遊びに来てもらおうよー」
シャア「そうだな…新しいMSはさて置き、これを片付けたら連絡してみるか」
ハニャーン「わぁい!」
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ハマーン「フフフン…ひとりぼっちの悲しみにー…♪」ゴトゴト
ハニャーン「ママー」
ハマーン「ンッ…パパのお手伝いは終わったのか?」
ハニャーン「んーもーちょっとー。
あのね?パパがアムロおじさまに遊びに来てもらおうって?」
ハマーン「アムロ・レイに?…ふむ」
シャア「と、いうわけだよ。アムロ君」
『はは、ハニャーンちゃんも自分の機体を欲しがる年頃になったか』
シャア「あの子にはまだ早い」
『だが、女の子は成長が早いと聞くぞ?』
シャア「…アムロ、ハニャーンはまだ十歳だぞ。
ジュニアスクールに上がる前からプチモビをオモチャ代わりにしていた」
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《ラーカイラム》
アムロ「なら、なおのこと心配ないじゃないか」
『早熟すぎると親としてはかえって不安になるものだ』
アムロ「そんなものかい」
『君も身を固めれば解る。ベルトーチカ君とも長いのだろう?』
アムロ「耳が痛いな」
シャア「とにかく、良ければまた我が家に遊びに来たまえ。
次の休日は?」
『明日だ』
シャア「そうなのか?ならば、今日の夕食にでも」
『おいおい、いきなり今日お邪魔するなんて失礼だろう』
ハマーン「構わんよ」
シャア「ん、ハマーン」
ハマーン「娘も貴男に会うのを楽しみにしている。
良かったらベルトーチカ嬢と一緒に来るといい」
シャア「…嫁さんの許可が降りた。待っているぞ」
『やれやれ…了解だ。夕食、楽しみにしてる』
シャア「それと、MSの件だが…」
『わかっているさ。ハニャーンちゃんには上手く言うよ。それじゃ』
シャア「助かる」
ハニャーン「パパ、ママ。おじさま何て?」
シャア「今夜、一緒に夕食を取ることになった」
ハニャーン「やったーぁ!」
ハマーン「失礼のないようにな」
ハニャーン「はぁーい!」パタパタ
シャア「…困ったものだ」
ハマーン「娘が他の男に懐くのがそんなに嫌か?」
シャア「面白くはないさ。
…ララァに続いて、娘まで…」ブツブツ
ハマーン「シャア。…眉間に皺が寄っているぞ。
いずれ娘は嫁に行くものだろう」ナデナデ
シャア「あと十年は先の話だ」
ハマーン「あの子の年齢を忘れたか?すでにリミットの半分は過ぎている」
シャア「…」
ハマーン「寂しいというなら…二人目を作るか?」フッ
シャア「…。悪くは、ない。
…が…娘を二度嫁に出す寂しさを味わわなければならんかもしれないではないか」
ハマーン「何だ、次も娘と決まっているのか?」クスクス
シャア「息子…ハニャーンの弟か…さて…」
ハマーン「フフ…しっかりと考慮することだ、パパ。
さて、客人が来ると決まったからには夕食は豪勢にせねば…」イソイソ
シャア「…むぅ」
《その夜》
アムロ「こんばんは」
ベル「お邪魔します」
シャア「ようこそ、アムロ。ベルトーチカ君」
アムロ「やあシャア」
ベル「本日はわざわざお招きに預かりまして」
ハニャーン「おじさまー!」ギュッ
アムロ「おっと!しばらく会わないうちにまた大きくなったねハニャーンちゃん」
ハマーン「こらハニャーン、失礼のないようにと言ったではないか」
アムロ「何、構いませんよ」
ハニャーン「はぁい。…お久しぶりです、アムロおじさま。ベルトーチカさん」ペコ
ベル「はい、お久しぶり。元気そうで何よりだわ。
ミセス・アズナブル、つまらないものですが、デザートにでも…」
ハマーン「お気遣い感謝する。さ、上がっていただこう」
シャア「うむ、どうぞ」
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ベル「やっぱり塩ですの?」
ハマーン「ああ。以前ミセス・ノアにも伺ったが、やはり塩気が足りないのは問題だそうだ」
ベル「でしょうね…」
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シャア「そうか。ハヤト館長のところは三人目が…」
アムロ「ああ。独り者には毒な話だよ」
シャア「君はいい加減、ベルトーチカ君を待たせすぎだ」
アムロ「そう言うなよ。俺だって時期を見ていずれと」
シャア「そんなことを言っていては、いつまでも時期など来んよ」
アムロ「…うーん」
ハニャーン「…」ムー
ハニャーン「アムロおじさま、ベルトーチカさんと結婚するの?」
アムロ「ん?そうだね。ベルがOKしてくれたらね」
ハニャーン「…。じゃ、ベルトーチカさんがダメって言ったら?」
アムロ「うーん…ダメって言われたらか…ハハ、参ったな」
シャア「…」ジト
ハニャーン「その時はわたしがおじさまのお嫁さんになってもいーい?」
アムロ「ハハハ、ありがとうハニャーンちゃん。
…でも、きっとパパに怒られるよ。…僕がね」
シャア「ゴホン。…それは置いて、ハニャーン。
アムロ君にMSの話を聞きたいのではなかったのか?」
おいやめろ下さい馬鹿
ちょっと風呂
アムロ「あ、ああそんな話だったね。
ガンダムタイプに乗りたいのかい?」
ハニャーン「うん!全身サイコフレームのやつ!」
アムロ「それは俺でも持て余すよきっと…」
ハニャーン「だぁって…パパのナイチンゲールでも時々反応が重いかなぁって」
アムロ「…」
√キュピーン
アムロ(シャア、あの機体デチューンしたのか?)
シャア(していないから問題なのだよ、アムロ)
アムロ(じゃあ彼女のNT能力は)
シャア(すでに私達夫婦より上とみて間違いない)
√キュピーン
アムロ(流石にダイクンとアクシズ総帥の血は伊達じゃないってことか)
シャア(フッ、誉めてもデザートにケーキしか出んよ)
ハニャーン(へへー。それほどでもないよー)
「「!?」」
このマシュマーの命に変えてでも!!!
「「(割り込まれた…)」」
アムロ「…あーハニャーンちゃん。ちなみにガンダムタイプって言っても色々だけど。
そうだな…乗りやすそうなのでZタイプなんてどうだい」
ハニャーン「んー…いい機体だったけど、なんか動きが優等生すぎて面白くなかったんだよね」
アムロ「いい機体…“だった”?」
シャア「面白く“なかった”?」
ハニャーン「うん」
アムロ「…もう、乗ったの、かい?」
ハニャーン「うん」
アムロ「…まさか」
シャア「カミーユか!?カミーユなのか!?」
ハニャーン「ちがうよー。
カミーユさんにお願いしたら『君のお父さんに怒られるから』って断られちゃったから」
アムロ「(カミーユ、セーフ)」
シャア「(OKしてたら修正するところだったぞカミーユ)」
ハニャーン「だからミネバお姉ちゃんにお願いしてお姉ちゃんの彼氏さんに乗せてもらったー」
アムロ「えっ」
シャア「えっ」
シャア「ミネバ様の彼氏…まさか」
アムロ「…もしかしてデルタプラスと間違ってないか?」
ハニャーン「もー、ちがうよおじさま。ちゃんとZタイプ。
確か…Zプルトニウスって名前だったよ?」
シャア「」
アムロ「」
アムロ「は、話を戻そうか…」タラ
シャア「…うむ」タラ
アムロ「プルトニウスでダメならZプラスじゃ全然足りないよな…。
一応聞くけど、ZZは」
ハニャーン「重たいのはヤ」
アムロ「そう、だろうね…となると…
ハニャーンちゃん、パパとお揃いで百式改は」
シャア「アムロ、それはむしろ私が欲しかった。
できればメイルシュトローム作戦前に」
アムロ「黙れシャア」
ハニャーン「…。あのねパパ、おじさま。実は乗りたい子はあるの」
アムロ「ん…」
シャア「目当ての機体があるのか」
ハニャーン「うん」
シャア「言ってみなさい。何に乗りたい?」
ハニャーン「…おじさまの…」
アムロ「…僕の?」
ハニャーン「νガンダム…」
ちょっと表出ようか
シャア「…アムロの機体が欲しいのか…」
ハニャーン「ん…」コクリ
アムロ「いや、しかし…性能でいえばナイチンゲールよりスペックは」
シャア「…」
ハニャーン「パパ、お願い。大事に乗るから!
がんばってIフィールドも張れるようになるから!
サイコフレーム共振させてアクシズ押し返せるくらいにがんばるから!」
アムロ「ハニャーンちゃん、それはやめて俺の立場がなくなる」
シャア「…」フゥ…
ハマーン「良いではないか、パパ」
シャア「ハマーン…!」
ハニャーン「ママ…」
ハマーン「νは良い機体だ。アムロ・レイの設計ならば信用出来よう」
アムロ「そう言っていただけるのは嬉しいが…」
ベル「お父様としては、娘をとられたようで面白くないかしら?」クスッ
アムロ「ベル…!」
シャア「いや…図星だよ。ベルトーチカ君の言うとおりだ」
シャア「だがまあ確かに、アムロの機体ならば大丈夫なのだろう。
…ママの許可も出たことだしな」
ハニャーン「パパ!」パァァ…
シャア「娘の為に、一機組んでやってくれ」
アムロ「承知したよ…責任重大だな」
ベル「フフッ、早速手配しなくちゃね。
…アギさんにも話しておいたほうがいいのかしら?」ジッ
アムロ「おいおいベル…まだ疑っているのか?チェーンとは本当に仕事の付き合いだけで…」
ハニャーン「ありがとーパパ!ママ!」
ハマーン「あまり無理をせんようにな」
シャア「うむ…」
ハニャーン「あ、おじさま!一つお願いしたいことがあるの!」
アムロ「ん、何だい?」
シャア「…?」
ハニャーン「カラーリングは、赤でお願いしますっ」
シャア「…」フッ…
ハマーン「(…やれやれ…フフ)」
《深夜・夫婦の寝室》
シャア「ハニャーンは寝たのか」
ハマーン「ああ。ずいぶんはしゃいでなかなか寝付けなかったようだが、つい先ほど」
シャア「そうか…」
ハマーン「…」
アムロ『今夜は御馳走様。組み上がり次第また連絡するよ』
ベル『お嬢さんのために最高の一機を用意しますわ。お休みなさい』
シャア「…娘など持つものではないな」
ハマーン「何故だ」
シャア「本当に愛しい。
愛しすぎて、自分という男がいかに度量が小さいか思い知らされる…」
ハマーン「…」
ハマーン「シャア」
シャア「ん…」
ハマーン「それは、恥ずべきことか?」
シャア「…」
ハマーン「そうではあるまい。そうでは…」
シャア「…」
ハマーン「母親として、あの子を誰よりも愛せるのは、私だ」
ハマーン「父親として、あの子を誰よりも愛せるのは…お前以外にはいないのだ。
胸を張れ…パパ」
シャア「…」
シャア「ああ…勿論だ」
『出来ますよ、大佐なら…』
そんな言葉が聞こえた気がして、しかし気のせいだと目を瞑る。
シャア「今夜はもう休むとしようか」
ハマーン「ああ。…ところで、昼間の話はどうするのだ」
シャア「昼間…何のことだ?」
ハマーン「…」
ハマーン「“二人目”の話だよ……あなた」クスッ
終
ハニャーンかわいいよハニャーン
ほっこりほっこり