タチコマ「あるいは、個人と集団以外の第三の意志決定の主体が人間には在るのかもしれない」

【概要】

  1. 行為は行動と違って、自分の意志で行っている。
  2. でも、自分の意志であるはずの行為が実は無意識に操作されていたとしたら…
  3. 行為を決定づける決定権は本当に自分が持ってるのかって考えると怖くなる。

 

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【参考】

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG   第15話「機械たちの午後 PAT.」

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG / 第15話「機械たちの午後 PAT.」

シャアはなんで急にアクシズ落とすとか言い出したの? - ガンダム速報

シャアはなんで急にアクシズ落とすとか言い出したの?

【内容】

没個性的な集団と差異を明確にすることで個性的になれる

第三の意思決定の主体「おい、首相を殺してこいよ!」

個別の十一人「おk」

 

↑攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG / 第15話「機械たちの午後 PAT.」では、行為主体について言及されてる。
考察云々というより、これが実に興味深くて面白いんだ。

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タチコマ『ウイルスで発症したと思われる個別の十一人はともかく、個別主義者ってどう思う?個を強調する割には没個性的な人達だと思わないか?』

タチコマ『確かにそうだね。ネット上での孤立や、自我の存在証明を追究して、各自の差異に価値を求めているくせに、違う思想の人間を排斥しようとする行為においては一様に団結している訳でしょ』

タチコマ『そうなんだ。主体性があるようでない集団。個を求めんとするあまり没個性に陥っている人達だと思うんだ。』

タチコマ『それって、ある意味僕たちとは対極にある人達って気がする』

タチコマ『そうだね。僕らは並列化を義務付けられながら、何故か一度は個を手に入れた訳だから』

タチコマ『そして今ではその差異を個性として尊重してもらった上で、必要な情報のみを並列化すればいい』

 

↑個別主義者は他を排除することで、個性的であることを認識しようとする。

タチコマはその特徴について、他者排除の点では没個性的じゃないのか?って言ってる。

 

全部で9体いるタチコマは、その1体の経験が9体に共有される。

でも、なぜか並列化から抜けだして差異を獲得するに至った。

 

タチコマ『じゃあさ、個別主義者が本当に個別で在ろうとするが故に、差異の無い集団になっているのだとしたら・・彼らの集合体としての意志を決定しているのは・・ダレなの?』

タチコマ『個別の十一人に関しては、その意志決定をしたのは内庁の合田ってことかな』

タチコマ『でも中国大使館を襲撃したテロリスト達は、ウイルスとかに関係なく台頭してきたインディビジュアリストって言われてるんでしょ』

タチコマ『笑い男事件の時に大挙して現れた模倣者達こそがその起源、と言っている社会学者もいるけどね』

タチコマ『だとすると、個別主義者達の意識の中には、合田の思惑が介在する以前から、現在の状況に近いイメージが共有されていたって事になるのか』

タチコマ『国民の総意としての難民排除って事ね』

タチコマ『それを言うなら、難民だって個別の十一人が台頭してくる以前から、テロ行為は繰り返していた訳でしょ?』

タチコマ『不思議だよねー、誰かがコマンドを出している訳じゃないのに、皆自然と同じ方向を向きはじめている』

タチコマ『あるいは、個人と集団以外の第三の意志決定の主体が、人間には在るのかもしれない』

 

↑インディビジュアリストが他者を排斥する行動で没個性化することは分かった。

だけど個別の十一人は排斥という行為を11人で団結して行っている。

そしてそこから、同じような目的と思想をもって自然と同じような行動を取る模倣者も生まれていった。

 

業者「この肥料を使えばその貴重な果物がメッチャ取れるよ!」

A「それマジ?売ってくれ!」

BCD「オレもオレも」

ABCD「アカン!豊作過ぎて値段下がったorz」

 

↑でも現実にも合成の誤謬という現象がある。

みんなが合理的に動いた結果、お互いの首を締め合うという悲しい末路。

 

もしかすると、合理は行為を決定づける要因になるのかもしれないね。

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自分の行為を決定付ける主体は自分?それとも…

タチコマ『例えば、遺伝子と言うミクロなレべルで主体の新旧を見いだそうとしたドーキンスと、極めてマクロな地球規模の主体に思いを馳せたラブロック』

タチコマ『両者はほぼ同時期に相反する主体を題材に、ほぼ同じ結論に達していると言ってもよいような著書を残しているんだ』

タチコマ『どんな事が書かれてるの?』

タチコマ『人間は最も合理的な主体や意思を宿す最小単位で、自身より大きかったり小さかったりする、ある種のホロン型構造の存在について思考し言及する、みたいな』

タチコマ『つまり、個別主義者や難民もその行動を決定する因子は、自身よりミクロな、あるいは集団を超えたマクロなレベルに存在するという事を言い当てている様な所があるって事さ』

タチコマ『むずかしいなー』

タチコマ『簡単さ!人間がその存在を決定付ける以前には存在していなかったネットの在りようが彼らの神経レベルでのネットと今や地球を覆いつくさんとしている電子ネットワークの双方によって自身の意志とは乖離した無意識を、全体の総意として緩やかに形成しているって事だよ。だろ?』

タチコマ『つまり人間は自分の肉体と精神とがすでに一致していないけど、その事については気付いていないってこと?』

タチコマ『ありていに私見を述べればね』

 

↑人間は思考する主体としては最小単位に位置している。

でもその行為は極端にミクロなものやマクロなものに左右される。

自分で考えた行為のつもりでも、実はそれは『無意識に形成された全体の総意』であることもあるってこと。

 

おれは1人の人間だから他人の意識は読み取れないけど、自分に限って言えば、『自分が今記事を執筆しているという行為』は自分で決定付けてると思う。

でもこういうことを考えてると、なんだか不安になってくる。

 

SNSの普及で手軽に自己表現が出来る場が整った。

そしてみんなソーシャルネットワークに夢中だからやりたくなった。

そう言われると、「もしかしたら…」って思えてくる気がしないでもない。

 

例えば、『流行』は実体が無いのにも関わらず大きな影響力を持っている。

流行は誰かが意図的に作るとも言えるし、自然発生的に生まれるとも言える。

極端な事言えば、流行など存在しなくても「これが流行だよ!」って誰かが口走れば流行に思えてくる。

 

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昔の丈の短いパンツを今のサッカー選手は絶対履かないだろう。

流行は蜃気楼のような存在だけど、人間の行為にハンパない影響を与えているの確かだ。

 

流行は意識の外から生まれるけど、合理は意識の内から生まれる。

でも意識は影響を受けるから、結局流行は合理と密接に関わってる。

 

じゃあ結局、『自分の肉体に結び付いた精神(合理)』が行為を決定づけてるのかな?

それとも、第三の意思決定の主体、すなわち『流行のようなもの』が決定づけてるのかな?

 

肉体と精神が分離して、行為主体が無意識から来る世界。

想像すると、なんだか自分が自分で無くなるような気がして怖いね。

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忌まわしい記憶と共に切り離したものってなんだったのか?

Voice I-doll クワトロ・バジーナ

シャア「似たもの同士は憎み合う」

ハマーン「えっ///」

shaatohamaan

7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/16(水) 23:43:22.32 ID:MW523l9iP

ハマーン「では聞くが、ザビ家を倒し、ティターンズを排除した世界でお前は一体何をしようというのだ。
シャア「私が手を下さなくとも、ニュータイプへの覚醒で人類は変わる。その時を待つ」
ハマーン「私に同調してくれなければ排除するだけだ。その上でザビ家を再興させる。それがわかりやすく、人に道を示すことになる」
シャア「また同じ過ちを繰り返すと気付かんのか!」

5年後

アムロ「何でこんなものを地球に落とす!これでは地球が寒くなって人が住めなくなる!核の冬が来るぞ!」
シャア「地球に住むものは、自分たちのことしか考えていない!だから抹殺すると宣言した!」
アムロ「人が人に罰を与えるなどと!」
シャア「私、シャア・アズナブルが粛清しようと言うのだ!アムロ!」
アムロ「エゴだよそれは!」
シャア「地球が持たん時が来ているのだ!」
アムロ「俺たちと共に戦った男が、なんで地球潰しを!」
シャア「地球に残っている連中は地球を汚染しているだけの、重力に魂を縛られている人々だ! 地球は、人間のエゴ全部を飲みこめやしない!」
アムロ「人間の知恵はそんなもんだって乗り越えられる!」
シャア「ならば今すぐ愚民ども全てに英知を授けてみせろ!」

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/16(水) 23:50:55.24 ID:g1+3mU8g0

カミーユのようなNTが必ず世界を変えてくれる

カミーユあうあうあー

カミーユに期待していたのに、カミーユほどのNTでもダメだったから無理じゃね?絶望なんだけど

おれが粛清するしかない

↑Z~逆襲のシャアのシャア・アズナブルの思考は多分こんな感じ。

5年の間(ZZ期)に因縁のハマーン・カーンが死亡。

 

なお、ハマーンはコロニー落としを用いて地球の重力に魂を引かれた人間を粛清しようとした。

後にシャアもアクシズ落としを用いて地球の人間を粛清しようとした。

 

シャア(クワトロ)はこれをどこかで見ていたのかは分からない。

だが何の因果か知らないけど、シャアとハマーンは粛清の方法を『衝突』に委ねた。

 

合理的な抹殺方法としてコロニー落としを選択したのか?

でも核の冬が来たら、目的の人類粛清を過ぎて、地球の自然環境にまで影響が現れる。

 

×『衝突(コロニー落とし)』

◯『侵略(オペレーションメテオ)』

 

↑普通に人類の粛清だけが目的ならこっちを考えても良いと思う。

なのに2人は同じ道を辿った。

 

シャア「アクシズ!行け!忌まわしき記憶と共に!!」

 

↑だからこそ、忌まわしい記憶って過去の因縁だけでなく、真似して道化になった自分も含んでるのかもね。

あえて『侵略』を選ばず、ハマーンと同化し、そんな自分をアクシズと共に切り離すみたいな。

例えるなら、寄生虫に喰われた右手を切り離して焼いて寄生虫と侵された自分を同時に清算するような感じ。

 

意識的にでも無意識にでも、行為が同じになるって不思議だね。

人は十人十色と言われて、みんな個性的なのに行為がなぜか並列化する。

 

自分のオリジナリティってどこにあるのか不安になるよ。

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