1895年 - 三国干渉。ロシア・ドイツ・フランスが下関条約で日本領有となった遼東半島の清への返還を勧告。
「日本による遼東半島所有は、清国の首都北京を脅かすだけでなく、朝鮮の独立を有名無実にし、極東の平和の妨げとなる。従って、半島領有の放棄を勧告し誠実な友好の意を表する」
〈三国干渉勧告の主旨〉
日清戦争の後、日本は下関にて日清講和条約(下関条約)を結びます。
主な条約の内容は
■朝鮮を清国の属国から外し、完全な独立国とすること。
当時朝鮮は清の朝貢国でしたので、これをやめさせることが目的でした。
これによって朝鮮は、後の大韓帝国への1歩を踏み出すことになります。
■遼東半島、台湾、澎湖諸島など領土を日本に譲渡すること。
遼東半島は、ちょうど清国と朝鮮半島が向かい合う場所に位置しています。
これによって、清国を常に牽制する狙いがあったのでしょう。
■賠償金約3億円の支払い。
■日本の最恵国待遇を認めること。
最恵国待遇とは、清と他の国が、日本の条約よりもいい条件の条約を結んだ場合、必然的に日本とも他国と同じ条件の条約を結ぶようにするというものです。
http://manapedia.jp/text/253
日本は清に勝利することでアジア支配の大きな一歩を踏み出す下関条約を結んだ。
しかし、これが少々大き過ぎる一歩だった。
誰がどう見ても日本の次なる一手が見えてしまっていた。
当時、アヘン戦争の影響から清が弱体していたとはいえ、大国清を小国の日本が破ったというニュースは列強各国を激震させます。そしてさらに列強を驚かせたのは、遼東半島を日本が領土にしようとしている事実でした。
事実、ロシア・ドイツ・フランスは、遼東半島の返還を日本に迫る三国干渉を行なっています。
■ロシア
ロシアは当時、シベリア鉄道の建設の真っ最中でした。
東は、現在の北朝鮮の国境付近まで鉄道を作り南下政策を進めていました。
そのロシアは、遼東半島を日本に奪われることで、海への出口を失うことを恐れたのです。
■ドイツ
ドイツは正直、そこまで干渉に積極的ではありませんでした。
しかし、ロシアとフランスが近づいてしまうことを恐れたこと、そしてロシアの注意を東に向けておけば、ヨーロッパでのトラブルも少なくなるだろうと考え、三国干渉を行いました。
■フランス
フランスはロシアと同盟を結んでおり、そのためにロシアと足並みを揃えました。
3国の対応からも分かる通り、ロシアが一番積極的であったことがわかります。
三国の干渉によって日本は遼東半島の譲渡を諦めますが、これに日本国民は大反発。
ロシアに対するイメージがどんどん悪くなり、日露戦争の直接のきっかけになったと言われています。
http://manapedia.jp/text/253
日本の研ぎ澄まされていく牙はどこへ向かうのだろうか。
お互いの腹が見えない外交において重要とされるのは『事実からの推測』です。
予期せぬ出来事を避けるためにも小さい火種は未然に潰す。
出る杭は打たれる、出た杭は腐らす。
そんな感じでしょうか。
立場が変われば世界が変わる、立場を変えれば世界を変えられる。
干渉の結果
列強はこの干渉以降、阿片戦争で香港を得た英国の様に、中国の分割支配に本格的に乗り出すことになった。
列強は清に対して対日賠償金への借款供与を申し出て、その見返りに次々と租借地や鉄道敷設権などの権益や、特定範囲を他国に租借・割譲しないなどの条件を獲得していった。
ドイツは、1897年に宣教師殺害を理由に膠州湾を占領、翌年には租借した。
1899年にフランスは広州湾一帯を、イギリスは九龍半島・威海衛を租借した。
ロシアも総理大臣の李鴻章が50万ルーブル、副総理の張蔭桓が25万ルーブルの賄賂を受け取り、1896年に秘密協定である李鴻章-ロバノフ協定を結び、1898年、遼東半島南端の旅順・大連の租借に成功する。そして、万里の長城以北と満州に勢力圏を拡大し、極東への野心を現実化していった。
イギリスは1898年1月に長江流域からビルマへの鉄道敷設と長江流域を他国に割譲しないことを確認し、さらに香港対岸の新界を租借させた。
日本も防衛上最低限の要求として、新規獲得した台湾のすぐ隣にある福建省を他国に租借、割譲することがない旨の約束を取り付けた。
朝鮮ではこの干渉の結果、日本の軍事的・政治的権威が失墜する一方、閔妃など親露派が台頭した。
wikipedia.org/wiki/三国干渉
三国「リピート・アフター・ミー、遼東半島は返します」
日本「遼東半島は返します…」
三国「っしゃー!中国分割すっぞwwwwwwwww」
いじめ、国際的なイジメ、とんでもないジャイアンがいたものです。
開放してやったぜ……くくくく。
恐怖からな。
守るわきゃねーだろ てめーらクズとの約束なんてよォ。
『三国干渉』は保全じゃなくて侵略の合図さ!
〈ゲンスルー〉
三国干渉を調べていくとゲンスルーが思い浮かびました。
グリードアイランドにて、悪の鑑ゲンスルーはサブとバラの3人で爆弾魔として暗躍します。
「さぶ」「薔薇族」は有名なゲイ雑誌だそうで、ゲンスルーとの息はもちろんピッタリです。
揺るがない信念のもと目的達成のために手段を選ばない。
現実にいたら惚れる女が後を絶たない、本当に『大人』の男です。
そのクールなヒールのゲンスルーの冷酷な思考はまさに欧米列強に通ずるものがあります。
例えばゲンスルーがゴンの味方ならば、心強いパートナーになるでしょう。
主人公補正に負けて小物感で満たされること必死ですが、それが無ければ最高の仲間です。
同じように、あれだけ傲慢な欧米列強が日本の味方になったらどうでしょう。
日本には無い突破力は頼もしい力となるはずです。
それぞれの思惑は完成されいる。
だけど、立場が違うだけで印象はガラッと変わってしまう。
そんなことを想いました。