【概要】
- 今の日本サッカーのトレンドはポゼッションサッカーです。
- だけど高校サッカーでは少しずつ変化が起きてきている。
- カウンターを織り交ぜた新しいサッカーとはどんなものなのか!?
【詳細】
ポゼッション志向から生まれた“矛と盾”第91回全国高校サッカー選手権 総括
『堅守・市船』のイメージを大きく変えた『超攻撃的2バックシステム』
第2次黄金期を迎えつつある市立船橋 悲願の夏冬全国2冠に挑む高校選手権
【感想】
近年、高校サッカーでは指導者が明確なチームの方向性を打ち出し、思うようにタレントがそろわない中でも、組織で強豪と渡り合えるように仕立てていく動きがより加速している。
Jユースとの差は以前より縮まったとはいえ、やはり基礎技術で劣るのが高校サッカー。
とはいえ強豪校はJユースに勝ち越すレベルの選手が集まってるわけだけど。
タレントやスター選手が何人揃うかという問題よりも全体の質や選手層でやはりまだJユースに及ばない。
バルセロナのサッカーに大きな影響を受け、日本全体がポゼッション志向となりつつあった。
ボールを大事にし、1人ひとりが適切なポジションや、数的優位を作る動きをして、ボールを奪われないように繋いでいく。
それはフィジカルに劣る日本人が、世界で戦うために必要なメソッドとして、Jクラブユース、高校に関わらず、育成年代の一つのトレンドとなっている。
野洲高校が魅せたプレーも1つのターニングポイント。
2種年代に限らず、3種4種年代でもポゼッションサッカーはトレンドになっているのが現状。
4種の中にはボールマスタリーを徹底させるチームも多く存在する。
これはプレゴールデンエイジだからって理由もあるけど、中学高校で通用活躍するための布石って方が強い。
単なる原点回帰ではない。「ポゼッションはできるけど、あえてカウンターサッカーを掲げている」というチームが出てきたことで、よりカウンターの質が上がっているのだ。
そんなこんなで飛躍的に基礎技術が向上した高校生がパスサッカーを目指すと特徴が発揮できなくなる。
そこで現在、原点回帰+αのショートカウンターが主流になりつつある。
ポゼッションサッカーが遅攻なら、ショートカウンターは速攻って感じかな。
でも強豪校はさらにその上をいこうとしているもよう。
というのも、戦術を選ぶのではなく個性にあったスタイルを「作る」ことに着目している高校もある。
例えば市立船橋の「超攻撃的2バック」なる新しいスタイルとかね。
- 高校サッカー 京都橘vs市立船橋 2014.1.5
チラッとしか見えないけど市立船橋の選手の位置に注目してほしい。
磐瀬と柴戸という本来ダブルボランチを務める二人を最終ラインに置いて守備が安定した。同時に、積極的なビルドアップが可能になり、攻撃時には両サイドバックを高い位置に張り出させ、石田、室伏航、成田といった、キープ力と裏への飛び出しが光るセカンドアタッカーを3シャドーに置き、彼らが高い位置から仕掛けられるようにした
これは2バックが前線に精確なロングパスを放り込んで、前線のタレントへの供給量を増やそうって戦術。
前線の支配力が自慢の市立船橋ならではのスタイルだと思う。
京都橘に負けはしたものの、新しいサッカーを魅せてくれたことに興奮した。
一方の京都橘はポゼッションサッカーから最後は小屋松の才能で仕留めた。
優秀なアタッカーを活かしきれたことは素晴らしいこと。
安定したポゼッションサッカーを追求した結果だと思う。
次はどこがどんなサッカーをするのか楽しみだなあ。