【概要】
ジンネマンの共感する力がカッコイイ!
バナージが本音を吐き出して前へ進み始めたきっかけはこれでしょ。
「それでも」ってセリフの根幹にも繋がる会話だった。
ジンネマン「バナージ……礼を言う お前がいなかったら、俺も途中でへばっていたかも知れん」
バナージ「そんな……おれは足を引っ張っただけで……」
ジンネマン「意地を張り合う相手がいるってだけで違うもんさ」
自分を認めて欲しければまず相手を認めなさい。
「まず自分が心を開け」って言葉を良く耳にするけど、これって難しい。
マリーダとハマーンの差は出会った男から生まれたのかもしれない。
【内容】
ジンネマン「嘘だな。お前の目はそんなこと納得しちゃいない――!」
バナージ(回想)「無理ですよ、砂漠を4日も歩くなんて」
ジンネマン(回想)「やりようはある」
バナージ「…………。ぁ、うぁっ!」
ジンネマン「バカが。のどが渇いてなくても、定期的に水を飲めと教えただろ」
バナージ「置いていってください……」
ジンネマン「頑張れとでも言ってほしいのか」
バナージ「だから放っておいてください。もう嫌なんです、何かに関わったり利用されるの――」
ジンネマン「そうはいかん。お前はパイロットだ。被害者根性でふて腐れるのはやめろ。墜とされたギルボアも浮かばれん」
バナージ「……! こ、殺したかったわけじゃないッ! ダグザさんが死んで、頭の中が真っ白になって……。それが許せないっていうなら、ひと思いに――」
ジンネマン「嘘だな」
バナージ「……!」
ジンネマン「お前の目は、そんなこと納得しちゃいない。自分の生き死には自分で決めるって奴の目だ。なら死ぬまでやせ我慢してみせろ。男の一生は、死ぬまで戦いだ……」
カーディアス(回想)「力を尽くせば、道はおのずと開ける――」
ダグザ(回想)「お前はお前の役割を果たせ――」
バナージ「やりました……。やったんですよ! 必死に! その結果がこれなんですよ! モビルスーツに乗って、殺し合いをして、今はこうして砂漠を歩いてる! これ以上なにをどうしろって言うんです! 何と戦えって言うんですかッ!」
ジンネマンの言葉が凄くいい。
人間ってどこかで打算が入ったり、本音と建前が入り込むから関係が強く太くなりにくい。
でも、ジンネマンはバナージに本音を吐き出させた。
そして後にジンネマンもバナージに本音をぶつける――!
心を開くってのは本当に難しいことだと思う。
希望を繋ぐために死ぬことを選んだ人もいる!
ジュドー「そんなに人を信じられないのか!憎しみは憎しみを呼ぶだけだって分かれ!憎しみを生むもの!憎しみを育てる血を吐き出せ!!」
ハマーン「吐き出すものなど、ないッ!!」
ハマーン様……(´;ω;`)ブワッ
ジュドーがもしもジンネマンぐらい精神的に成熟していれば――
「帰ってきてよかった…強い子にあえて…」
このセリフ!ミネバと話していた老主人のような心境に似てるなあって思った。
ハマーンにとって『答え』は見付からなかった。
内部分裂を経験して、それをすでに悟っていたのでは?
今さら自分の心中を吐露したところで受け止めてくれる人もいなければ居場所もない。
自分を預けられる人が1人でもいればハマーンはもっと変わっていたのかなって思う。
仙水忍
魔界へ来てみたかったんだ。本当にそれだけだったんだよ。
小さいときずっと不思議だった
『どうしてボクだけ見える生き物がいるんだろう』
『どうしてそいつらはボクを嫌っているんだろう』
『殺そうとするんだろう』
答えがわからないまま戦い方だけ上手くなった
『きっとボクは選ばれた正義の戦士で』
『あいつらは人間に害を及ぼす悪者なんだな』
安易な二元論に疑問も持たなかった。他の人間には見えない返り血にも次第になれていった。
世の中に善と悪があると信じてたんだ。戦争もいい国と悪い国が戦ってると思ってた、可愛いだろ?
だが違ってた。オレが護ろうとしてたものさえクズだった。そんな生き物の血が流れているのが無性に憎くなったよ。いっそのこと魔界に生まれたかった。
そう思ったら是が非にでもここに来たくなってね。もうオレに時間がないと知ったとき一気にはじけた。
来れてよかった。
界境トンネルは魔界の先住民への手土産程度のものだったんだ。本当の目的は魔界で死ぬこと。
『次こそ魔族に生まれますように…』
ハマーンも仙水忍も『お互いの価値観を対等に認めて共感出来る人』が欲しかったのかもしれない。
その第一歩が『本音』をぶつけられるかどうかだと思うんだ。
忍は自分が普通の人間と違うことに悩みつつも、普通の人間は冷めた存在だと認識した。
『どうするべきで、どうしていけばいいのか』の答えがやっぱり見付からない。
戸愚呂(弟)もそうだけど、だから忍も『次の希望に託す』という意味でも、死ぬために戦っていたのかもしれない。
そしてハマーンもまた、忍と同じように『強い子(次の希望)』のために死ぬことを目的として戦っていたのかもしれない。